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エピソード 1 ― 日本市場に残されたEVの伸び代

日本の自動車市場において「軽自動車」は、極めて特別な存在です。登録台数ベースで見ても新車販売の約30〜40%を占め、都市部から地方まで、日本全国のあらゆるシーンで生活の足として欠かせません。通勤や買い物、送迎、配送、さらには高齢者の移動手段としても、軽自動車は人々の暮らしに深く入り込んでいます。その意味でも軽自動車は、嗜好的なモビリティではなく、生活インフラに近い存在だと言えるでしょう。一方で、GLMが携わっているEV市場に目を向けると、日本国内での普及率は約2%に留まっています。さらに軽自動車に限定すれば、EVの選択肢は極端に少なく、その存在感はまだごく限定的です。それにもかかわらず、GLMはこの「軽EV」という、決して大きくはない市場にあえて踏み込もうとしています。その背景には、「なぜ日本でEVが広がらないのか」という問いに対する、極めて本質的な問題意識があります。

現在、日本で販売されているEVの多くは、輸入車を中心とした中〜大型車です。ユーザー像を見ても、セカンドカー用途や、ある程度、経済的余裕のある層に偏っている傾向があります。EVは環境に優しく、静かで、走りがスムーズで、そして先進的であることが魅力です。一方で、「価格が高い」「航続距離に不安がある」「充電に時間がかかる」といったネガティブな印象も、依然として根強く残っています。こうしたイメージが積み重なり、日本では「EVはまだ早い」「自分の生活には合わない」と捉えられがちです。しかしGLM代表取締役の宮下祐一は、この状況をこう捉えます。

「現在の日本市場で、本当に欲しいと思えるEVが存在しないことが問題だと思っています。GLMは軽自動車のEVという形で、新しい提案ができると考えています。日本でのEV普及率はわずか 2% ですが、裏を返せば 98% の伸び代があるということを示しています」

GLMが着目しているのは「EVに興味がなかった人」ではなく、興味はあるが、条件が合わずに選べないでいる人たちです。「日本」には多くの潜在的なユーザーが特に軽自動車にいるとみています。

なぜ、日本市場なのか?

コンパクトEVというカテゴリー自体は、世界中に存在します。しかし、「軽自動車」という明確な規格を持つ市場は、日本にしかありません。サイズ、価格、用途が制度として定義されているからこそ、軽自動車は独自の進化を遂げてきました。GLMはこのローカル規格を、制約ではなく戦略的なチャンスと捉えています。軽自動車という枠があるからこそ、「何を削り、何を残すか」という判断基準が明確になる。これは、開発思想をブレさせないための、強力なフレームでもあります。目的は極めてシンプルです。日本でEVが特別な存在ではなく、当たり前の選択肢になること。そのためには、価格、サイズ、使い勝手、すべてが日常にフィットしている必要があります。軽自動車という規格は、その条件を満たすための最短距離であるといえます。

大手メーカーと同じことはやらない

今回の軽EV開発プロジェクトは、国内大手メーカーと同じ土俵で競争することを前提としていません。それは逃げではなく、最初から異なるゲームを選んでいるということです。現在の軽自動車市場では、ADAS(先進運転支援システム)をはじめとした安全装備や運転支援機能の高度化が進み、軽自動車であってもフル装備が当たり前になりつつあります。その結果、車両価格は上昇し、EVではさらにその傾向が顕著となり価格に上乗せされる印象にあります。そこでGLMが選んだのは、その流れに逆行するアプローチです。機能を足すのではなく、徹底的に引き算から考える。宮下は、その開発姿勢をこう説明します。

「徹底的に搭載機能を絞り、車に乗ることに特化した軽EVを開発しています」

航続距離も、装備も、すべてが最大値である必要はなく、日常の移動にとって、本当に必要な性能とは何か。その問いを突き詰めていくことで、「必要最低限なEV」という輪郭が浮かび上がってきます。

価格がすべて。

GLMが開発中の軽EVにおいて、価格はプロジェクトの成功の鍵を握る最も重要な要素です。目指すのは、ガソリン車の軽自動車と同等の価格帯。既存の軽EVよりも、明確に低い水準でなければ意味がないと考えています。それは、「EVは高い」という固定観念を壊すための、明確なメッセージでもあります。価格で驚かせ、乗ってみて納得してもらう。この一連の流れを成立させなければ、EVは日本の生活の中に入り込めない。GLMはそう考えています。


最適解は中国メーカーとの共同開発

現実的な価格帯と、スピード感のある市場投入を両立させるために、GLMは中国メーカーとの共同開発という選択をしました。生産は中国で行われますが、車両設計、検証プロセス、品質基準にはGLMが深く関わっています。単なる輸入販売ではなく、開発責任を共有するパートナーシップとしてだけでなく、さらに、販売後のアフターサービスもGLMが担うことで、日本市場における安心感を担保します。コストと信頼性。その相反しがちな要素を、どうバランスさせるか。そこに、このプロジェクトの現実的なブレイクスルーがあります。

軽EV開発で再スタート

軽EVのプロジェクトは、まだ車名のネーミングすら決まっていません。それはつまり、ゴールが見えたプロダクトではなく、いま現在も開発と議論が繰り返されている進行形のプロジェクトであることを意味しています。宮下は、この軽EVをGLMの「再スタート」と位置づけています。

「GLMにとって今回の軽のEV開発は、トミーカイラZZに続く量産車になります。おもろい車を作るという会社方針のもと、必ず魅力的なEVを日本市場に投入させますので、ぜひご期待ください。きっと多くの方々が“これでいいじゃん”と思ってくれるはずです」

GLM 軽EV開発リアルタイムストーリー エピソード1|エピソード2(ダイジェスト)

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